野辺山の舎
野辺山高原の豊かな自然と一体化して暮らす家
敷地周辺は山々や花畑、農園が広がる自然豊かな場所。
この恵まれた立地を生かし、住まいの中にどう自然を取り込むかを考慮した。
リビング、ダイニングなどの開口部を大きくすることで、四季折々の移り変わりが屋内にいても自然と目に入る。家の外と中を区切るというよりも一体感を感じられるように、南向きのデッキや玄関からカーポートへと続く土間の空間をのびのびと配置。部屋毎のドアによる仕切りを最小限に抑えることで、屋外からのゆるやかな連続感がそのまま各部屋へと続いていく。
解放感溢れる吹き抜けのリビングと、包まれるような安心感のあるダイニングは、天井の高さという点で好対照をなし、連続しつつもそれぞれが互いの良さを引き立てる別空間となっている。
家全体に、自然の味わいをいつまでも感じられる無垢の木を使用。吹き抜け上部の梁を一本、古材に見立てて黒塗りにし、変化を出している。
構造部に釘などの金物を一切使用しない伝統工法で組まれており、細かな部分まで手を抜かない職人の技が効いているため、家全体が落ち着きと格を感じる上質な空間となっている。
広い庭には芝をひき、周囲とのバランスを考えて手を入れ過ぎないつくりに。いずれ風に吹かれてやってきた植物の種が根を降ろして少しずつ育ち、自然な形で変化していくのかもしれない。